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【2026/06/10 16:29 】 |
ブリキ男の心無い愛を魔女に ep 1 ーブリキの過去ー

過去に縛られていた。
過去に捕らわれていた。
つい最近の自分は、過去が苦手で仕方なかった。
思い返す度、子供のように地団駄を踏み、暴れた。
暴れて自分を傷つけるほど、過去の自分が嫌いだった。

そんな俺に一体何があったのか。
そう、あれは6年前のあの中学校での生活にさかのぼる。

当時、その中学校に転校してきた当初の俺は、皆から「転校生は珍しい。」ということでチヤホヤされていた。
俺は『転校する前不安でいっぱいだったが、皆のおかげで学校生活は安定するかも。』なんて思っていた。
しかし、それも崩れさる。
チヤホヤされている俺が癪に障ったのか、ある男子グループが俺に執拗ないじめを始めた。
とても苦痛だった。
物を盗られ、殴られ、悪口は言われ、笑いものにされ。
いつしか、チヤホヤと優しくしてくれた皆さえ、そいつらと一緒に嘲笑うようになった。
安定すると思っていた中学校生活は、深い傷を残す中学校生活となり変わった瞬間だった。
やがて先生にも見放され、他の奴らにはめられた俺は、先生から説教と体罰を受けた。
心が痛み、身体までもが痛み、痛みが和らぐ場所など存在しなかった。
死を望み、生を嫌い、ただ不幸にあやつられるがまま生きていた。
度重なる苦痛に比例するかのように、俺の精神や心はやつれていき、小学校当時のような笑顔や泣き顔など、もはや出来ないような状態になっていた。
そんな生活を三年間してきた俺は、『卒業』という言葉に誰よりも先に手を差しのべるほど、助けを求め、祈るようにその『卒業』を待ち続けた。
そして『卒業』の日、俺は解放された。
やっとの思いで解放された。
しかし、あの頃のように泣くことなどなかった。笑うこともなかった。
ましてや、嬉しくもなかった。
泣けない。
笑えない。
嬉しくない。
いうなれば、感情を失ったかのような。
『卒業』という特別で感情的なフレーズでさえ、どうでもよく感じる。

「こんなのどうでもいい。」

中学校生活の三年間で多くのものを失った。
そして俺、東山直光は、晴れて『心のないブリキ』へと変わったのだ。


ブリキ男の心無い愛を魔女に ep 1 ー過去ー 完
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【2012/03/07 01:42 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0)
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